歯科医師の暴露日記

歯科の裏事情やタブー、内緒話。患者さんには言ってはいけないと言われるような内容を書きまくります。

治したところがまた虫歯になるのはなんで?

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回のテーマは、

治したところがまた虫歯になるのはなんで?

を書いていこうと思う。

 

歯医者に行ったときに、

「昔治したところがまた虫歯になってしまっているので、やり直しましょう」

と言われたことはないだろうか。

 

歯科的な知識のない一般の方からすると、

「治したのにまた虫歯・・・?」

と思う人も多いのではなかろうか。

 

実は、歯科医師は言いたがらない人が多いが

虫歯の治療した=もう大丈夫

ではなく、

虫歯の治療した=絶対また虫歯になる

というのはもはや歯科界では常識だ。

それはなぜかを書いていこうと思う。

 

そうなると、まずは歯の構造から説明する必要がある。

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歯とは、外側から「エナメル質」「象牙質」「歯髄(神経)」の構造になっている。

「セメント質」などもあるが、今回はスルーする。

 

「エナメル質」とは人体の中で最も硬い組織。

象牙質」とは細ーい穴が大量に開いている、柔らかーい組織。

「歯髄(神経)」とは神経と血管の混合物。

 

で、「エナメル質」を突破して「象牙質」に入ったら虫歯の治療を行う必要が出てくる。

ただし、この「エナメル質」を虫歯が突破するには、成人であれば数年~十年以上かかる。

それほど硬いのだ。

 

そして例えば、虫歯の治療を行ったしよう。

白い詰め物や、金属の詰め物を詰めたとする。

ところが、詰め物と歯の間で段差を完全になくして詰めることなど不可能だ。

0.1mm程度は必ず段差ができる。

その結果、以下のような事態になる。

 

白い詰め物であれば歯に接着しているので、まだいいのだが・・・。

金属の詰め物などは金属と歯との間に接着剤を介在してくっつけている。

そしてその接着剤は長い年月(数年)をかけてじわじわと溶け出してくる。

溶け出した隙間や、段差に細菌が繁殖し、そこから中の方へ虫歯が進んでいく。

 

という流れで再度虫歯になる。

 

 

そもそもだが、一番虫歯になりづらい「エナメル質」を削り取って、別の物質を無理やり詰めているだけなのだから、当然健康な歯に比べて虫歯になりやすくなる。

これと同様で、例えば再生医療が発達し、虫歯になったところに「エナメル質」を再生させることが出来たとしても、人間が行う以上必ずそこには段差が生じてくる。

 

 

ちなみに、

「歯医者に積極的に通う人ほど、歯を失っている」というデータもある。

(私の記憶にある言葉なので、多少語弊はあるかもしれないが、大体のニュアンスはあっているはずだ。正確な言葉が分かる人がいれば是非教えていただきたい。)

 

これは、「歯というものは削れば削るだけ寿命が短くなる為、まだ様子見でも大丈夫な虫歯を削られてしまうことで逆に寿命が縮まる。」ということだ。

 

もちろん、「だから歯医者に通うのはやめましょう」というわけではない。

 

正確な診断の元、適切な時期に治療に介入してくれる

診断力のある歯科医師に定期的に診てもらう。

 

という事が何よりも大事となる。

歯医者に行ったときに、必ず「虫歯が何本あります」など言われるはずなので、

その時に、治すべき虫歯まだ様子見で大丈夫な虫歯かをしっかりと教えてくれる歯科医師は信用に足る。

逆に、「ここはまだ小さい虫歯ですけど、早めにやってしまいましょう」という歯科医師は売上至上主義で患者の10年・20年後を一切考えていないタイプなので、注意をしてほしい。

 

最後の方は少し横道にそれてしまったが、是非歯医者選びの参考にしていただきたい。

 

では、また。近いうちに。