歯科医師の暴露日記

歯科の裏事情やタブー、内緒話。患者さんには言ってはいけないと言われるような内容を書きまくります。

歯科治療がなぜ何回もかかるのか。その2

こんにちは。

匿名歯科医師だ。

 

今回は前回に引き続き、

歯科治療がなぜ何回もかかるのか。その2

を書いていきたいと思う。

長くなると思うが、読んでいただきたい。

 

前回を読んでいない方はまず

real-dentist.hatenablog.com

を読んでいただけるとありがたい。

 

②歯内療法(神経の治療)

次はこちら。神経の治療だ。

これに関しては保険のルールは一切関係ない。

 

歯科医師の知識と技術の問題がほとんど

だ。

 

そもそも、神経の治療は回数をかければかけるほど、むしろ赤字になっていってしまう処置だ。

保険の点数が非常に低く設定されているので、人件費・光熱費・材料費まで考えると、とんでもなく赤字になってしまう。

では、なぜそんなに回数をかける歯科医師が多いか。

 

それについては3パターンの歯科医師がいる。

 

「患者一人当たりの点数が高くなると国に怒られる。下手すると保険診療が出来なくなってしまうから、平均点数を下げるために長引かせている。」

「本気で治そうと頑張っているが、歯内療法の基本を理解していない。」

「長引けば長引くほど抜歯のリスクが上がるので、抜歯してより高い治療費をもらおうとしている。」

 

だ。

このうち上2つは非常に理解できるところもあるし、人として至って普通だと思うが・・・

3つめは、日本の歯科医療の闇と言えるもので、人として終わっていると思う。

 

それぞれ説明していく。

まずは

「患者一人当たりの点数が高くなると国に怒られる。下手すると保険診療が出来なくなってしまうから、平均点数を下げるために長引かせている。」のタイプ。

 

ちなみに、患者一人当たりの点数の事を専門用語で「レセプト単価」と呼ぶ。

そのレセプト単価がその県の上位15%?に入ると、強制的に「個別指導」というものに呼ばれる。

この個別指導は「指導」とは名ばかりで実際、ほぼ恫喝に近い。

インターネットで検索してもらえれば割と出てくるが・・・

これが原因で自殺した歯科医師もいるくらいだ。

「個別指導 自殺 歯科医師

などで調べてもらえれば一発だ。

ちなみにこの個別指導で認めれ貰えなければ、最悪の場合、保険医と保険医療機関を取り消される事となる。

つまり保険治療が一切できなくなるのだ。

となるとそれまで通っていた歯科に通えなくなるため、それまでそこに通院していた患者たちはいきなり転院を余儀なくされてしまう。

そういうことを避けるためにも、レセプト単価を下げたがるというのは割と理解できる。

 

 

そして2つめ

 「本気で治そうと頑張っているが、歯内療法の基本を理解していない。」のタイプ。

これに関しては、歯科医師が歯内療法の勉強をあまりしていないパターンだ。

昔、強い薬で消毒を繰り返すと治ると言われていた時代があった。

と言っても、30年以上前の考え方だ。

現在では強い薬を入れる意味はあまりなく、むしろアレルギーなどのリスクの問題から世界的に行われていない。

日本は昔から体質として、上司が「カラスは白い」と言えば「白い」と言わなければならない風潮が存在する。

これは歯科だけではなく、一般企業でもそうだろう。

つまり、若手の歯科医師は現代の歯科治療を学んで卒業してくるわけだが・・・

 

その後の勤務先で古臭い・・・失礼。古き良き歯科治療へと修正されることとなる。

 

その後しっかりと勉強して再修正すればいいのだが・・・勉強していない歯科医師はその修正が出来ず、そのまま古いやり方でやっていく。

実は回数に関しても同様で

現在アメリカなどの医療先進国では、

 

神経の治療の回数は少なければ少ないだけ良い。

 

という事が研究で明らかになってきている。

正確には回数が増えれば治療成績が良くなるという事はなく、むしろ神経の治療の度に感染のリスクが上がるから、短い方が良い

という事だ。

決してやっつけ仕事で良いというわけではない。

そこだけは注意していただきたい。

ここら辺は書き出すとまた恐ろしく長くなるので、また別の機会にでも詳しく書いていきたいと思う。

 

そして3つめ

「長引けば長引くほど抜歯のリスクが上がるので、抜歯してより高い治療費をもらおうとしている。」

についてだ。

これもまた歯科治療の闇なのだが・・・

現在日本で行われている歯科治療はほとんど全て、

歯を失えば失うほど高額な医療費が必要。

となっている。

 

例えば、虫歯の治療小さいものならプラスチックで1日で終えることが出来るが、保険を使えば1000円程度だ。

仮に神経の治療後に被せ物まで行ったとしよう。

すると今度は10000円ほどかかる。もちろん保険でだ。

そして歯を失うとしよう。

ブリッジでも20000円・入れ歯で10000円。

インプラントだと30万円以上

と言った具合に、歯をなくせばなくすほどお金が掛かるシステムとなっている。

要はさっさと抜歯してしまった方が医院収入は大きくなる。

 

また治療を長引かせれば

・「これだけやってダメだったからな・・・」と患者の諦めも付きやすいし。

・上で言ったレセプト単価の引き下げもできるし。

・収入は大きくなる。

と、医院にとってのメリットは計り知れない。

要はこれをワザとやっているのが3つめのタイプなのだ。

人として終わってると言った意味は分かってくれたかと思う。

 

つまり、神経の治療でやたらと長引くのはこう言った事情なのだ。

 

 

ちなみに、神経の治療で1回ずつの治療が短いにも関わらず・・・

治療回数も少ない歯科医院は・・・

 

ほぼ確実にやっつけ仕事の所だ。

 

ちなみに、専門医などでは、治療回数は少ないが1回の治療で2時間ほど時間がかかることが多い。

・回数の少なさだけでなく、

・1回の処置時間や、

・どれだけ歯科医師が口の中を触っているかを考えると、

自ずとしっかりと治療をしている医院かどうかが分かってくると思うので、参考にしていただければと思う。

 

 それでは、今回はこの辺で。

 

では、また。近いうちに。