歯科医師に嫌われる患者と、そうならないために・・・その2。
こんにちは。
匿名歯科医師だ。
今回は前回に引き続き、
歯科医師に嫌われる患者と、そうならないために・・・その2。
を書いていく。
前回のブログを読んで、すでに心が折れそうな人も心を持ち直して読んでいただきたい。
前回の時間を守らない人はほぼ100%の歯科医師に嫌われるが、今回からは歯科医師によっては嫌われるといった行動を書いていきたいと思う。
・痛みがなくなったため、自己判断で薬を飲むのをやめる。
→頓服の鎮痛剤であれば痛いとき飲むだけで良いので、確かに痛くなければ飲まな
いで良いが・・・抗生剤に関してはしっかりと言われた日数分飲んでもらわなければ
効果が出ないことが非常に多い。途中で飲まなくなったのに、また痛み出した!
とか言われても「ええ。まぁそうでしょうね。」としか言えない。
・仮蓋側で咬むなと言っているにも関わらず、噛んで外してくる。
→神経の治療や、型取りの後などは必ずと言っていいほど仮の蓋をしている。
その仮のものはあくまで仮のもの。取れてくれないと次回処置時間が短くなって
しまい、精度が落ちてしまう。そのため、簡単に取れるものを使っている。
そのため、必ず仮の蓋を入れたときには歯医者から「そちら側では物を噛まないよ
うに注意してください。」と言われているはずだ。
それを無視してガンガン噛んでくる人がたまにいる。仮のものが取れるだけならま
だまぁ良いが・・・その結果、歯が折れてしまい抜歯に至ってしまうこともある。
一生懸命治療したにも関わらず、抜歯になってしまうのは患者はもちろん、歯科医
師としても非常に悔しい。
・噓をついてまで無理やり見てもらおうとする。
→何もしないでも痛いというので、他の患者の合間に詰め込んで見てみると・・・
「そんなに痛くはないんだけど、気になって・・・」と言ってこられることが稀にあ
る。薬を飲まないとやってられないというほど痛むのであればもちろん我慢する必
要などないが・・・。急患の枠ではできればそういった方に対応したい。本当に痛く
て痛くて辛いにも関わらず、嘘をついて無理に入ってくる人が居た場合、その方を
見る時間がその分遅くなってしまう。
また、こういった方は、歯科医師からも要注意患者として認定されるため、その内
マトモに相手してもらえなくなってくる。本当に痛くても、「どうせいつものやつ
なんだろう」と軽く見られ後回しにされる可能性が非常に高くなる。まさにオオカ
ミ少年状態。
ご自身の為にも嘘をついて自分勝手に診療をしてもらおうとするのは避けた方がい
い。
・インターネットで自己診断した上で、歯科医師の意見を聞かない。
→最近はインターネット上に情報が溢れかえっている。まぁこのブログもその一つな
訳だが・・・。痛みがあったり、違和感があった場合、不安になって調べることもあ
るだろう。それは解る。が、実際に診断してみるとその自己判断が当たっているこ
とは限りなく少ない。まぁ素人の考えることなのでそれ自体は別に不快に思う歯科
医師はほぼ居ないだろう。
しかし、稀にだが・・・診査した上で、自己診断と違った診断を出してもこちらの意
見を信じない方がいる。こういった方は非常に厄介だ。前回も言ったが、治療とは
診断ありきなので、その診断を信じてもらえなければ治療に入ることが出来ない。
あなた方に嘘をついたところでなんのメリットもないのは考えればわかるはずだ
が・・・。
そこまで自己診断に自信があるなら歯科医師免許でも取って自分でやれや。と思う
歯科医師も結構居るので注意していただきたい。
・来院前に食事をしてきて、歯磨きをしてこない。或いは来院前に飲酒・喫煙をする。
→このタイプは私は個人的に一番困る。というのも、磨き残しが口の中にべったりと
張り付いていると、虫歯の穴に磨き残しが入ると、虫歯を見逃すことがある。
また飲酒してくる人は普通に麻酔が効きづらくなるし、抜歯などは行えないことが
ある。まぁ歯科医師になってかなりの年月が経つが、飲酒してそのまま来院してき
たような人は見たことが無いので、ほぼ歯科医師内での都市伝説みたいなものだと
思っている。
喫煙については、喫煙家の歯科医師であれば気にしないと思われるが・・・普通、医
療に従事している以上自重している歯科医師がほとんどだろう。
そして最近論文で明らかになったそうだが、実は副流煙よりも服や髪に残留してい
る「匂い」自体に発がん物質が含まれているそうだ。そう考えると、治療の度に発
がん物質の害を受けている状態になる。自分が吸って勝手に肺がんになる分には
「好きにしたらいい。」と思うが、自分にまで害が出るのであれば話は別だ。
そういった点でも、上記の行為を行ってから来るのであればしっかりとブラッシン
グを行ってから来てほしいと思う。
・口紅、グロスをベッタベタに塗ってくる。
→社会人として生きている以上、化粧は最低限は必要なのはわかる。が、歯医者に行
く前にはそれらはしっかりと落としてから来てほしい。
というのも、最近の先生は腰を曲げて口の中を覗き込むのではなく、ミラーテクニ
ックと言って鏡を使いながら診療する。口紅などが塗っているとそのミラーについ
て全く見えなくなるのだ。時間が無くてどうしても無理だったということであれば
時間通りに来ることを優先していただきたいが、余裕をもって着くのであればトイ
レなどでしっかりと落としておいていただきたいと思う。
・治療中にいきなり動く。
→治療の際に痛みがあった時など、つい動いてしまう人が居る。これは反射として動
いてしまっているのだろうから仕方ないかもしれないが、なるべく我慢してほし
い。
歯科医師が持っている器具はドリルや針だったりと危険なものが多く、痛いと思っ
て動くことでその器具が刺さり逆に大けがを負ってしまうこともある。特に口の中
には太い血管が多く、もし大きな動脈を傷付けてしまうと救急車を呼んで大病院に
搬送する羽目になったりする。
痛みがあった時に我慢する必要はないので、動くのは控えて・・・左手を上げてそっ
と教えていただきたい。
・治療の中断。
→前回記事とリンクするところもあるが、痛みが消えたからと言って来なくなる人が
一定の確率でいる。(さすがに日本人は真面目なだけあって来なくなる人はそんなに
多くないが・・・。)
歯の治療というのは放置すればするほど、重度になればなるほど完治するまでの時
間・費用・労力が大きくなり、そして治療の成功率は低くなる。
つまり小さいうちにさっさと治してしまった方が圧倒的にお互いに楽なのだ。
仕事が忙しい・子供の世話で・親の介護で等々様々な理由を挙げてくる方が居る
が、実際それらはこちらから見れば仕事・子供・親を治療をしたくない言い訳に使
っているようにしか見えない。
だったら言ってみれば良い。上司・子供・親に「あなたの世話をしているから、健
康がどんどん悪化していっています。」と。上記の理由を使って治療を中断すると
いうことはこれとほぼ同義なのだ。正直、自分が逆の立場だったら「自分のことは
良いから早く治してきてよ!」と確実に思う。この言い訳を使うのは歯科医師に対
してだけでなく、上司・子供・親にとって非常に失礼な事なので、歯科以外の場面
でも使わないことをお勧めする。
・急患で駆け込んできたにもかかわらず、治療をしてもらおうとする。
→基本的に予約制である以上、予約の方の合間に診ている状態だ。
そんな時にしっかりとした処置を行う時間があるわけがない。
横入りみたいなことを堂々としないで、大人なんだからちゃんとしなさい。と言い
たくなってくる。実際、そんなことを言える歯医者はほぼ居ないが。
また治療方法について話したい。と駆け込んでくる人もいるが、カウンセリングを
片手間でできると思っているのだろうか。できるわけがない。
カウンセリングを行ってほしいのであれば、それ用のアポイントを抑えるようにし
てもらいたい。そうすればこちらもしっかりと話すことが出来る。
実は細かいところはまだあるが、これ以上はタイピングで手が痛くなってくるので控えたいと思う。
前回と今回ので1つでも当てはまった人たちは注意していただきたい。
「嫌われる」ということは治療をする上で何よりのデメリットになってくる。
また表に出さないが、歯科医師も人間である以上、好き嫌いは必ずある。
少なくとも、お互い気分よく治療を進めるためにも、お互いの協力が必須であると私は考えている。
以上だ。
前回・今回はほとんど説教みたいな内容になってしまったが・・・
如何だったろうか。
今後の歯科ライフで不都合を感じないようにしていただきたい。
次回は何を書くかは未定だが・・・
何かまた歯医者が思っても言えないことを言っていきたいと思う。
では、また。近いうちに。