歯科医師に嫌われる患者と、そうならないために・・・その1。
こんにちは。
匿名歯科医師だ。
前回まで「歯医者探しのコツ」を書いてきた。
だが、せっかく見つけた良い歯医者に嫌われて通いづらくなってしまったら元も子もない。
そのため今回からは
歯科医師に嫌われる患者と、そうならないために・・・
を記載していきたいと思う。
まず、ほぼ100%の歯科医師に嫌われる患者は
「アポイントの時間を守らない人」
である。
具体的にいうと、
・平然とアポイント時間から遅刻してくる。
・当日、アポ時間の直前になって、「やっぱり行けないです。」
・何の連絡もしてこないで予約時間に来ない。
既にギクッとした人もいるかもしれない。
割とこういったことを多く行う患者は歯科医師から直接、
「金輪際、うちには通院しないでくれ。」
と言われることもある。
そもそもなぜ時間を守らない人がこんなに嫌われるか。
(まぁ、歯科のみならず日常生活でも時間を守らない人は実は他人に嫌われているが・・・。)
それは日本の健康保険の現状が原因の1つだ。
ご存知の通り、日本は国民皆保険であり、すべての人が治療を安価に受けることができる。素晴らしい制度となっている。
だが、この保険制度が作られたのは昭和初期・・・らしい。
(詳しい時期などは知らない。知識不足で申し訳ない。)
その後、幾度も改定されてきているが、実際の保険点数は昭和初期のころからほとんど変わっていない。それを証明するような画像を見かけたので載せてみる。
この画像の各項目について説明していく。
「治療費」→その国での治療費を日本円に換算した時の金額だ。
「マクドナルド」→世界中にあるのでその国の貨幣価値を調べるときに便利らしい。
「何個分」→治療費に対してバーガー何個分かを記したものだ。
お分かりいただけただろうか。
日本の治療費は発展途上国以下の状態になっているのだ。
結局、その金額の中でスタッフの給与・器具の消毒代・消耗品の代金など、込々で考えると、黒字になる部分など非常に微々たるものだ。
そうなってくると、患者自体を詰め込んで多く診ていかなければやっていけない。
患者にとって最高の治療をしよう!と経営無視で最善の治療をしていた先生がわずか1年半で医院が潰れ、それまで通っていた患者が途方に暮れた。という事案も実際に起こっている。
そして、多くの歯医者さんで予約制が導入されているのも、より効率的に診療を行うためだ。
まずは「遅刻」が嫌われる理由から説明しよう。
大体の所で予約は30分単位で取られているところが多いだろう。
その30分のうち前後5分(計10分)はあなたの為の診療の準備や片付けを含んでいる。
すなわち、実際の処置時間は20分しか取れないのだ。
では、例えば10分遅刻した場合、次の患者に迷惑をかけないようにするには処置時間を10分で済ませるしかなくなってくる。
実際、済ませられる処置であればいいのだが・・・
型取りなどの麻酔を行った上で行う処置に関しては、10分で終わらせるのはほぼ不可能だ。精度を無視してやっつけ仕事で終わらせればまぁ行けなくもないが・・・。
その結果、次以降の予約患者に待ってもらわなければならなくなってくる。
これが歯医者で予約時間通りに行っても、待たされてしまう典型的なパターンだ。
すると待って頂いた患者からは「この歯医者は時間を守らない」とレッテルを貼られてしまうことになる。
つまり、遅刻とは歯科医院の「時間を狂わせる行為」であるから嫌われる訳だ。
遅刻が嫌われる理由は分かってもらえたかと思う。
次は「アポイント時間に来ない」場合だ。
これに関しては、単純に売り上げの問題だ。
本来入るはずだった収入が得られなくなってしまうので、人件費を考えればその時間は確実に大赤字になってしまう。
事前に連絡をくれていれば、例えばその直前の患者にもっと多くの処置を行うことも可能かもしれないし、そもそも他の患者をその時間に診療してあげることすら出来たはずだ。
だが、何の連絡もなかった場合はそれも叶わない。ただただ時間を浪費するだけとなる。
そのため、キャンセルとは歯科医院の「売上にプラスにならないどころかマイナスになる行為」であるから嫌われるのだ。
そして時間を守らない方に逆に私からも聞きたいのだが・・・
あなた方は仕事での取引などがあるときも遅刻したりドタキャンしたりするのだろうか?
もし何らかの原因で遅れる或いは行けないのであれば事前に連絡を入れたりしないだろうか?
では、なぜ連絡を入れるか。
それがただただ相手の時間を浪費するだけの迷惑行為であると知っているからだろう。
また相手との信頼関係を崩してしまう原因になりうると知っているからだろう。
そして自分が同じことをされたらどう思うだろうか。蔑ろにされていると感じないだろうか。
風邪を引いたや、渋滞に巻き込まれた、電車が遅れた、不幸があったなど・・・
どうしても無理なことは多々あるだろうし、都合が悪くなることはいくらでもあるだろう。
そういった場合は、無理やり来て処置をしてもらおうとするのではなく、なるべく早めに電話をした上でアポイントの変更を行ってもらった方がいい。
歯科医師から嫌われて、通院を拒否されるようなことにならないように気を付けていただきたいと思う。
まぁ実際、時間を守る方がほとんどだし、守らない方の方がマイノリティではあるのだが・・・。
次回は「歯科医師に嫌われる患者と、そうならないために・・・その2。」を書いていくこととする。
では、また。近いうちに。